≪ドアの面内変形≫
(枠のひし型変形)
建物が地震の揺れに伴い、
主に水平方向にドア枠が歪む変形。
+変位:吊元側に変形
-変位:戸先側(ハンドル側)に変形
地震の発生で建物が揺れると同時に、建物と一体となっているドア枠も揺れることになり、ドア枠は変形します。
ドア枠が変形するたびに扉と枠はぶつかり合い、接触を繰り返す現象が起こります。地震がおさまった時に扉や枠・ドア金具が歪み、扉と枠が接触したままの状態ではドアの開閉がとても困難となります。
特に剛性の高いスチールドアが接触して噛み込むとドア開放にとても大きな力が必要です。
避難経路には必ずと言っていい程、ドアがあります。
マンションの住戸玄関ドア、共用部の階段室ドア、1階周りの建物屋内から屋外へ出る勝手口となるドア、管理室ドア等々。
そんなドアが震災時に開かなくなったら…。
今一度、避難経路の見直しをしてはいかかがでしょうか。
地震発生!!
避難出口
ビルや工場のBCP対策に推奨
(事業継続計画)
地震後のドアは、面内変形や局部変形で開閉不良(閉じ込み)をおこします。
ドア枠の変形量が大きくなればなるほど、扉を開ける時に大きな力が必要になってきます。
建物が地震の揺れに伴い、
主に水平方向にドア枠が歪む変形。
+変位:吊元側に変形
-変位:戸先側(ハンドル側)に変形
ドア周囲の壁が破損し、破損した壁材
(コンクリート)などがドア枠を押し潰し
部分的にドア枠が歪む変形。
注意
総合的な耐震診断に基づく、ビル・マンションの耐震補強は、倒壊の危険性を大きく下げられるものの、それだけでは安全とはいえません。実際に各地で発生している地震では、マンションの玄関ドアや共用部のスチールドアが開閉不能となる被害が発生しています。大型地震で建物が傾いた場合、ドアが開かなくなることを想定しておかねばなりません。
マンション玄関ドア
地震被害の様子
階段非常口スチールドア
地震被害の様子
階段非常口スチールドア
地震被害の様子
ドアの震災対策工事は、主に製品選定に有ります。既存ドアの形状や取付状況・既存ドア金具により、対震製品と工事方法の選定が重要です。間違った取付け方や組み合わせをすると対震効果が無くなる事が有るので注意が必要です。
地震に耐える = 『 ドアセットが頑丈で、接触圧力に耐えて開かない 』ではなく、
地震に対応する = 『 ドアが歪んでも柔軟に対応して扉が開く 』という概念で表現されています。
扉と枠の隙間を通常よりも大きく取り、少々枠が変形しても扉と枠が接触しない構造のドア枠。 ※一般的な対震枠構造
薄く硬く、滑りやすい特性を持つ製品で、扉と枠に取付ける製品。
扉と枠が接触しても対震プレートの効果で接触圧力を緩和する製品。
スプリング内蔵の丁番で、扉と枠が接触しても内蔵スプリングが接触圧力を緩和する製品。効果が伴うストライク(鍵受)等が必須。
扉が横方向に縮むドア。独自構造で開ける力を、大幅に緩和する北村鉄工所のオリジナルスチール対震ドア。
PreXit製品
ストライク(鍵受)が変形してデッドボルトや扉に干渉しても鍵を解錠しやすい製品。
鍵の閉じ込め防止のストライク(鍵受)開口拡張加工。拡張の加工や拡張ストライクに取替え。
※最重要
枠側ドアガード金具と扉側ドアガード金具が接触しても解除しやすい製品。
非常時用戸締り金具。ドアが閉まらず、施錠が出来ない時に仮施錠出来る製品。取付条件があります。
※対震製品は震災後に必ず100%対応するものではありません。面内変形・局部変形に効果が有る製品となります。
マンション住戸玄関ドア改修工事
各種工法
対震スチールドアPreXit改修工事
特許製品
非常時用戸締り金具PREPA
特許製品
北村鉄工所では対震製品・一般製品のドアやドア金具の対震試験を、社内実験や公的機関で数多くおこなっております。
試験機各種 ・・・ 面内変形・局部変形試験機、ドアの繰り返し開閉試験機、1/2スケール面内・局部変形デモ機、
圧縮バネ加圧測定試験機、吊込み荷重試験、防錆試験(CAS・塩水噴霧)
社内試験所
試験:面内変形/局部変形
日本建築総合試験所
試験:面内変形
ベターリビング試験所
試験:面内変形/局部変形
対震丁番の開発・製造に伴う各種ドアの変形試験に始まり、製造のノウハウを生かした既存ドアの対震丁番取替工事やドア改修工事を行ってきました。例えば、通常では取替えのできない既存丁番では、調査・設計を行い、特注の対震丁番を製作して取替えを可能にするなど、柔軟にドアの対震化工事に対応しております。
対震丁番 特殊形状
上端取付+吊元壁接触回避対応 意匠登録製品
対震丁番 特殊形状
差込丁番対応・重量用対震丁番
対震丁番 特殊形状
差込丁番対応・特殊孔位置
1.1.3 構造以外の耐震対策
マンションの耐震性能については、建物が崩壊しないための構造以外に、安全に避難できるための避難経路や機能を保持するための設備の視点も必要である。なお、想定被害については、阪神・淡路大震災の被害状況に基づいたものである。
(1) 避難経路関連
ここでは、避難経路関連における耐震対策について整理する。
1)雑壁の破壊による玄関ドアの開閉不能防止
玄関、窓等の開口部が一定以上ある柱・梁に囲まれた壁(雑壁)は、大地震時にはせん断破壊が生じる可能性があり、玄関ドアの枠・蝶番・ドア本体の変形により、ドアが開閉不能に至るおそれがある。
ラーメン構造のマンションの桁行き方向(長辺方向)には、こうした雑壁が多くあるため、注意が必要である。
このため、耐震ドア(耐震枠・耐震蝶番等)に取替えることや、ドアの位置を躯体の壁面から外すことなどが必要となる。
また、開放廊下の窓からも避難できるように、共用廊下側の窓面格子を非常時脱出機能付き面格子にすることも考えられる。
②建具(扉、サッシ)
建物の動きにより、枠や扉が変形しこれが原因で扉が開かなくなる危険性があります。また開いても、ラッチ(施錠時に突き出る錠の部分)が変形し、施錠ができなくなることもあります。最近では、地震で変形しても扉が開くように丁番にスプリングを入れた対震丁番などが出ており、大規模修繕でこれらに取り替えるケースも見受けられます。
都市機構・自治協3、修繕について ①対震丁番 M7級首都直下地震発生の可能性について、年明け以降特に各種メディアで報道されており、UR賃貸住宅においても震災の被災軽減の取り組みが必要と考えている。
先の東日本大震災では、耐震分類Ⅳ(Is値0.6以上)の仙台市や東京都の一部の団地の鉄筋コンクリート造ラーメン構造住棟梁下の玄関扉で開閉不良が発生し、避難に支障が生じた住戸が見受けられた。
ついては安全・安心の確保の観点から、24年度より新規修繕項目として、玄関扉の開閉不良の未然防止措置を実施していく。
具体的な内容は、既存玄関扉の丁番を対震丁番に取り替えを行い、併せて既存ドアチェーンまたはドアガードを対震ドアガードに取り替える。また、対象住戸は、ラーメン構造住棟で梁下に玄関扉がある住戸で約13万2,000戸。
早期(2~3年)に完了するよう、今後支社と調整。
※2012年10月度より全国の対象物件で順次工事 ※最終約16万4000戸対象に変更
(30代男性)
少し小さめに作られたドアサイズ1/2デモンストレーション機を体験しました。ドアが開かないという事など、考えたこともありませんでしたが、それが災害の時なら命にかかわってしまうと言うことを改めて感じました。
ほんの少しドア枠が傾いただけで、力一杯ドアを押しても開かなくなってしまうことにまず驚き、そこに対震丁番と対震プレートをつけた場合では大きな力を入れずともドアが開くという事にさらに驚きました。
うちはマンションなので外にでる扉がひとつしかないため、震災時に非常口を確保するという事を考えると、とっても大切な対策だと気づきました。
(20代女性)
体験してみて、歪んでしまったドアがこんなにも力を込めて開けようとしても開かないものなのかと驚き、対震丁番をつけることであのびくともしなかったドアがこんなに簡単に開いてしまう事に更に驚いた。
全身の力を込めても開かなかったドアが、片手ほどの力で開いた。力を入れすぎて転びそうになる程だった。
地震はいつ起こるかわからないが、女性や子供がドアが開かなくて閉じこめられた場合、こんなにも開かないならば、ほんとに危険だと言うことを実感した。特に女性や子供だけで在宅する際は鍵をかけている事がほとんどだと思うが、鍵をかける事で、更にドアが開きにくくなるということだったので尚更怖い。しかし、鍵の事までしっかり考えられた対震丁番を設置するだけで女性でも楽々と開けることが出来るなら、逃げ遅れるという被害もかなり減ると思った。
1/2スケール
面内・局部変形デモ機(据付)
実物大スケール ドア2枚
面内変形デモ機(据付)